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マグダラのマリア派とカタリ派 [中世ユダヤ・キリスト教]

イエスは洗礼者ヨハネを継承するオリエント秘儀宗教やグノーシス主義色の濃い思想を持っていた可能性がないわけではありません。
そうでないにしても、初期のキリスト教徒の中には、そのような傾向の一派がいたのは間違いないでしょう。
そして、その秘儀的思想はイシス同様の役割を担っていたマグダラのマリアによって南フランスのプロヴァンス地方に伝道されたのかもしれません。
そうでないにしても、そのようなマグダラのマリアを旗印にした一派によって伝道されました。

この地では、現在もマグダラのマリアの頭部像や頭蓋骨を担いで練り歩く祭りが行われています。
また、彼女やイシスをも含めた地母神信仰を継承する「黒い聖母像」を持つ教会が多数存在します。
そして、南フランスには洗礼者ヨハネを祭る教会も多数存在します。
一方、マニ教はキリスト教によって弾圧を受けながらも、4Cには西方世界全域に広がりました。
そして、弾圧の中で徐々に表面的にはキリスト教を装うようになりました。

10C頃に、アルメニアで生まれた小パオロ派、ブルガリアで生まれたボゴミール派は、マニ教やグノーシス主義の影響の濃い異端派です。
都市が発達した北イタリアと南フランスは、ボゴミール派が伝道されるなどして様々な異端派の拠点となりました。

12C頃までに様々に交流しながら形成されたマニ教やグノーシス主義を受け継ぐ西方世界の異端派は「カタリ派」と呼ばれるようになりました。
カタリ派は各地に存在しながら、密接に統合されていました。

カタリ派はマニ教から原人の悪神に対する敗北の神話や輪廻思想を、グノーシス主義から霊・魂・体の3元論、物質世界が悪神に由来するという説を受け継ぎました。
そして、現世否定的な傾向を持ち、特に僧侶(覚者)は徹底的な禁欲主義を貫きました。

カトリック教会は、洗礼などのカトリックの制度や手続きそのものによって、それを行う人の人間性に関係なく救済ができると考えていました。
また、制度に安住して聖職売買などの教会の堕落が起こりました。
そのため、これが清貧さや個々人の霊性を重視する異端思想が生まれる原因になっていました。
これはカタリ派がカトリック教会とその洗礼や秘積を否定して、清貧を究めた覚者による手を頭上にかざすだけの洗礼を行っていたことにも現れています。

カタリ派はカトリック神学に対抗するために神学的思想も形成しました。
その代表は「アルバネンセス派」と呼ばれるイタリアのカタリ派のヨハネス・デ・ルギオと、「アルビジョア派」と呼ばれる南フランスはラングドックのバルトロメです。
特にルギオは2元論的な神学・神智学を徹底させました。
カタリ派はヨハネ福音書を2元論的に解釈し、ロゴスによる善なる創造と、無による悪なる創造の2つの創造があったと考えました。
カトリック、特にアウグスティヌスによれば、悪は実在せず、単なる「非存在・無」として定義されます。
ですが、カタリ派にとっても悪は「非存在・無」なのですが、そのような悪が実在するのです。
これは神と同様に超時間的存在で、神から独立しています。

正統派キリスト教では世界は無から創造されましたが、カタリ派は善なる創造は父なる神の本質から微細な素材によって、悪なる創造は父なる悪の本質から物質素材によって創造されたと考えました。

カタリ派は、人間は本来は天使的存在だったけれど、悪の誘惑によって認識の間違いによって堕落したと考えました。
人間は霊を霊界に残したまま、魂が物質的肉体に捉えられたのです。
人間は自由意志を持つことなく、神と悪の戦いの場となるのです。
そして、キリストとしての神の自己犠牲を通して、神は悪に打ち勝ちます。
そして、終末には人間は天使に復帰します。

南フランスの「アルビジョア派」はマグダラのマリア派とも結びついていました。
アルビジョア派はマグダラのマリアがイエスの秘儀的で性的なパートナーで、イエスの真の教えはマグダラとヨハネ(洗礼者でなく福音書を書いたヨハネ)に伝えられたと考え、カトリック教会の権威を否定しました。
ラングドック=ルション地方ではカタリ派が公認の宗教となっていました。

1209年にカトリック教会はカタリ派を絶滅すべく、十字軍(アルビジョア十字軍と呼ばれました)を結成しました。
この地の人々はカタリ派をかばったため、10万人規模の虐殺が行われました。
アルビジョア十字軍は洗礼者ヨハネの聖日6/24に召集され、マグダラのマリアの聖日7/22には大虐殺が行われました。
こうして20年をかけて戦いが続き、1243年にはカタリ派最後の牙城が攻略されました。  


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