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仏教の流れと神秘主義 [古代・中世インド]

仏教は、煩悩の根本原因を無意識レベルの認識の間違いからくる渇愛と考え、それをなくすことを目指す宗教(思想)です。
その点ではきわめて合理的な思想だと言えます。

しかし、概念やイメージを通した認識を否定(間違いであると)し、直観的な認識を肯定する点で、本ブログでの定義では神秘主義思想であると言えます。

他の点については、仏教での諸派によって様々な違いがあります。
密教においては、流出論的な世界観、象徴主義、気の身体論などが完備され、完全な神秘主義思想となります。

本ブログでは、仏教の諸派、歴史的発展・変化を、大きく分けて5分類で考えています。
「釈迦の思想(原始仏教)」、「部派仏教(アビダルマ仏教・小乗仏教・南伝仏教)」、「大乗仏教(大乗顕教・菩薩乗)」、「密教(タントラ仏教・金剛乗)」、「ゾクチェン(大円満乗・究境乗・任運乗)」です。

「釈迦の思想」は、最古層の経典であるパーリ「小部」収録の「スッタニパータ(集経)」の第4章として修められている「八つの詩句(義足経)」と、第5章として修められている「彼岸に至る道」を読むかぎり、上に書いた意味できわめて合理的であったようです。
死後の存在や輪廻を認めていません(肯定も否定もせず、問題として認めなかった)。
ただ、現世での生のみを問題にし、概念やイメージによる認識も間違いによって欲望が起こらないように、常に気をつけていろと述べています。
そして、教義を持たず、あらゆる論争を避けるように述べています。

「部派仏教」では輪廻は前提とされます。
そして、教義を持つなという釈迦の思想とは正反対に、仏教が哲学的な思想として、詳細な存在論、認識論、実践論が作られていきます。
部派仏教においては、目標としての涅槃は心身の完全な止滅を意味し、絶対的な現世否定思想となります。
また、存在を原子論的・要素主義的に捉え、現象を構成している真なる実在を「法」とします。
現世のあらゆる存在は無常ですが、涅槃は永遠とされます。 
また、瞑想の状態を分析し、それが意識や宇宙の階層論という側面を持つようになります。

「大乗仏教」は、おそらくはイランの宗教の影響を受けて、有神論的傾向を持ちました。
「仏」は宇宙的な原理となり、密教に向かって複雑なパンテオンを構成していくことになります。
一方、哲学的には、部派仏教に残る実体主義を批判しながら、「空」思想を洗練します。
また、「種子」の概念で、煩悩に関わる潜在意識論を作りました。

「密教」は、先に述べたように、流出論的な宇宙論、象徴主義、気の身体論など、神秘主義思想として、世界史的にも最も完成度の高い神秘主義思想となります。
究極存在としての「空」は、流出論的な創造の母体ですが、それは一切の存在の本質性、実体性を保証しません。
究極存在は「智慧(静的・素材的次元)」=「方便(核的・創造的次元)」の一体性と考えられます。
そのため、密教では心身を活性化することが悟りにつながり、悟りは自在に現世で活動できるもの(涅槃=輪廻)となり、かなり現世肯定的な思想となります。
悟りは具体的には、意識と身体の階層としての、仏の三身(法身・報身・変化身)の獲得とされます。

「ゾクチェン」は、煩悩を断たなくてもカルマを現わさないとする思想であり、インドの「業」思想史上の革命となりました。
究極存在は、「本体(静的次元)」、「自性(核的次元)」、「エネルギー(創造的次元)」の三位一体として考えられます。
これは 「初めから清らか」、「あるがままで完成」などと表現され、「ゾクチェン」は作為性の完全な否定を目指します。
最終的には、仏の三身とは異なる「虹の身体」の獲得を目指します。
また、密教にある象徴主義(偶像主義)を乗り越えて、普遍性を指向します。


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