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ヒンドゥー教神智学の階層論 [古代・中世インド]

オリエントの宇宙論、ヴェーダーンタ哲学、サーンキヤ哲学、仏教などの影響を受けて作られた、ヒンドゥー教のプラーナ文献などに記された宇宙論を紹介しましょう。
これは、ヴァーダ以来の伝統的な思想を新たに統合したものと言えます。


まず、宇宙の根源である至高存在は「パラ・ブラフマン」と呼ばれます。
これはサーンキア哲学の「プルシャ」、ヴィシュヌ派の「ヴィシュヌ」、シヴァ派の「シヴァ」に相当します。パラ・ブラフマンは「有・知・歓喜」という性質を持ちます。

このパラ・ブラフマンからは物質的な存在(素材)、宇宙的な存在(マクロコスモス)、個的な存在(ミクロコスモス)がそれぞれ階層の高いものから順に生まれます。
階層は大きく分けて「原因的(極微)な段階/微細な段階/粗大な段階」の3つに分かれます。
この3つの段階はそれぞれ「熟睡/夢見/覚醒」の状態の意識に対応し、パラ・ブラフマンの段階は至高の「第4状態」の意識に対応します。

まず、物質的存在、素材の原因的段階は未開展物「アヴィヤクタ」です。
これは3つの運動傾向「サットヴァ、ラジャス、タマス」が均衡した状態です。
これはサーンキヤ哲学の「プラクリティ」、ヴェーダーンタの根源的な「マーヤー」、タントラ派・シャークタ派の「シャクティ」に相当します。
これが微細な段階では、まず、オリエントの第1質料に相当する「タンマートラ」となって、これから「微細な5大元素」となり、粗大な段階では微細な5大元素が結びつき合って「粗大な5大元素」となります。

次に、宇宙的存在は、原因的段階が(オリエントのデミウルゴスに相当する)宇宙創造神の「イシュワラ」です。
次に微細な段階が(オリエントの世界霊魂「アニマ・ムンディ」に相当する)宇宙自体の神である「ヒラニヤガルバ」です。
そして、粗大な段階が宇宙神の物質的身体である「ヴィラート」です。
宇宙創造神や世界霊魂は「ブラフマー」、「ヴィシュヴァカルマン」、「プラジャーパティ」などと呼ばれることもあります。

次に、個的な存在、生物存在の側面です。まず、パラ・ブラフマンがパラ・ブラフマンと同質なものとして、すべての生物の霊魂の根源である普遍霊「パラ・アートマン」を、さらに個的な霊である「ジヴァ・アートマン」あるいは単に「アートマン」を生みます。

人間にも3つの次元の存在があります。カルマによる種子を持つ霊的次元の「コーザル(カーラナ)・シャリーラ(原因体)」、魂的次元の「リンガ(スクシュマ)・シャリーラ(微細体)」、肉体である「ストゥーラ・シャリーラ(粗大体)」です。

また、より具体的な5つの段階の身体、真我を包む5つの鞘があります。
原因体に相当する「アーナンマダヤ・コーシャ(歓喜鞘)」、微細体でブッディに相当する「ヴィジュニヤーナマヤ・コーシャ(知性鞘)」、微細体でマナスとアハンカーラに相当する「マノマヤ・コーシャ(心の鞘)」、微細体でプラーナに相当する「プラーマナヤ・コーシャ(呼吸鞘)」、粗大体である「アンナマヤ・コーシャ(食物鞘)」です。


hinducosmos.jpg 


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