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ムハンマドの夜の旅 [イスラム教]

もともと、アラビア半島にはメソポタミア的な宗教的伝統が存在しました。
中央アラビアではメッカのカーバ神殿の神や、3女神が主要な神々でした。
一方、紀元後70年にユダヤの第二神殿が破壊されて以来、ユダヤ人が移民していて、また、キリスト教のネストリウス派と単性論
派が4Cに異端宣告を受けて以来、布教を行っていました。その影響でか、メッカでは一神教化が進んでいました。

そんな背景のもと、ユダヤ、キリスト教の一連の預言者達を認め、その最後の預言者として、すべての人々に布教を行うというムハンマドがイスラム教を始めました。
イスラム教ではイエスは預言者の一人でしかありません。
また、イスラム教がユダヤ、キリスト教と異なる大きな特徴の1つは人間の「原罪」を認めないことです。
ですから、イエスの贖罪も認めないのです。

ミトラス秘儀やユダヤ教のメルカーバー神秘主義のようにカルデアの宇宙論の影響を受けた様々な神秘的伝統では、階層的な天球を抜けて上昇して神に会うという体験(天球上昇の秘儀)を語りますが、イスラム教でもムハンマドがこれを体験したとする神話が生まれました。
神がムハンマドをつれて、夜空を飛び、聖なる礼拝堂(メッカ)から、神がきよめた遠方の礼拝堂(エルサレム)にまで旅をしたとする『クルアーン』の記述を元にして生まれたものですが、この神話には当然、宇宙論が反映されます。
神話はイスラム圏全体に広く知られていて様々な異説がありますが、普及版によれは以下のような話です。

天から金と銀でつくられた梯子〔はしご〕が降りてきて、ムハンマドはジブリール(ガブリエル)に導かれて梯子を上って天界に昇っていきました。
各々の天球でムハンマドは預言者(祖先の聖者)達に出会います。これは以下の通りです。

(ムハンマドが夜の旅で出会う者)
第8天(恒星天)
第7天(土星)
イブラヒーム(アブラハム)
ミカエルの栄光の家、至福の宮殿
第6天(木星)
ムーサー(モーゼ)
第5天(火星)
ハールーン(アーロン)
第4天(太陽)
イドリース(エノク)
第3天(金星)
ユースフ(ヨセフ)
第2天(水星)
イーサー(イエス)とヤフヤー(ヨハネ)
第1天(月)
アーダム(アダム)


第7天にはミーカーイル(ミカエル)が導師を務める「栄光の家」があります。
ここから階段を昇ると上にはルートの木(生死の木)があります。
さらに水の川、ミルクの川、蜂蜜の川、ワインの川という4つの川を越えて進むと、不思議な生き物達がいる「至福の宮殿」があります。
さらに業火を越えて進み、8段の階段を昇ると神の玉座があります。
ムハンマドはかごに乗せられたくさんの垂れ幕をくぐり抜けて、神の御前に着きます。
そして、ムハンマドはとうとう両目ではっきりと神を見ます。
ムハンマドは神から祈りの言葉をもらって戻りました。

ちなみに、後の項で紹介するイスマーイール派の哲学者のイブン・スィーナーが書いた『マホメットの天球層上昇の書』の版では、ムハンマドは7つの天球で7大天使に会います。
また、 第7天には四つの海があって、海の底に谷にミーカーイルがいます。
そして、ムハンマドは神を見た時、忘我の境地に陥りました。
イブン・シーナーは、神をアッラーではなく、ミスラを指す「フダウェンデ」と呼んでいます。


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