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プロティノスの帰還 [ヘレニズム・ローマ]

プラトン、アリストテレスにとっては、至高存在との合一的体験は、霊的知性(ヌース)の働きである直観的体験でした。
そしてそれは、霊魂が自らのもっとも純粋な本質である霊的知性としての部分に目覚めることでした。
ですが、プロティノスにとっては、一者は霊的知性を超えた存在です。

ですから、一者に帰還する一者との合一的な体験は、霊魂が霊的知性として純粋化するうちに、突然の飛躍によって、霊的知性の働きそのものを消滅させて、自らの外に出ることで体験されるのです。
この飛躍は霊的知性の意識的な努力によるものでもなければ、一者の働きかけによるものでもなく、自然に偶然に起こります。
一者それ自体は常に超越的な状態になるので、下位の存在に思いをこらすような存在ではないのです。
 
プロティノスは一者との合一に至る過程を3つに分けて考えています。
倫理的な行為などの「浄化(準備)」、次が魂本来のヌースの世界を見る「観想(テオリア)」、最後が一者と合一する「合一(エクスタシス)」です。
 
この魂の合一体験は、「上昇」とも表現されますが、実際に魂がヌースや一者といった上位の存在になるのではありません。
魂はどこまでいっても魂なのです。
ですから、上昇/合一はあくまでも、魂に内在するヌースや一者が健在化する過程が、そのように体験されるということです。


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